マイティジャック THE SHADOW FORCE(1)・熊谷カズヒロ◇角川書店

マイティジャック THE SHADOW FORCE (1)

マイティジャック THE SHADOW FORCE (1)

特撮エース連載のスパイアクションマンガ。

1968年に放映されていた、円谷プロの特撮アクションドラマを原作にしている。
当時としては1時間枠でスタントアクションがメインの特撮物、時間帯も夜の8時からと、大人向けに製作された珍しい作品だったが1クールで終了。そして路線変更され、ちょっと不遇な扱いだった。

だが、登場するメカニックのシャープさ、少し苦みの残るドラマといい、印象に残る作品だった(自分は後のビデオが初視聴(生まれてないし)だが、かなりはまってしまった)。海外のITC系の作品を意識していたのだろうが、そこに円谷独特のセンスが組み込まれていて、面白い。

それを、完全に大人向けにチューンしたのが、このコミックだ。シナリオ的には、元のイメージをそのままにコミック的ケレン味を加えた感じ。絵柄的にも、アメコミ的で、カゲなどをかなり強めにした、メリハリのある作風。

キャラデザも以外と元の役者を彷彿とさせる感じで、今つくるとしたら、こんな感じだろうな、と思わせる。

多分、なんかナディアっぽいメカやら話で、パクリ?と思う若い人(つーても1985年か…)がいるかもしれないが、こっちが元祖だったりする。ナディアの再現度は凄すぎるが…

今巻は、3話まで収録されているが、もしかして13話で終わっちゃうのか?(それとも、空飛ぶMJまでやるの?)

しかし、読み始めると凄い面白い。特に、第三話「燃えるバラ」は、敵組織Qの工作員とはいえ規範を大事にする女性スパイと桂隊員の奇妙な友情はお約束とはいえ熱くなる。クールアクション物とかで今やったら、結構人気が出るんじゃなかろうか。少し早すぎた作品なのかもしれない。

巻末には、熊谷氏と庵野監督の対談が載っており、これがまたMJに対する愛が溢れている。うわ、これ読み返してたら、MJまた見たくなってきた! DVDとか、でないのかなあ?
それまでは、このマンガ版を楽しみにしていこうと思う。