Q&A・恩田陸◇幻冬舎

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恩田陸のホラー系パニック小説。

首都圏近郊の大型ショッピングモールで起こった、パニック事件をその被害者とのインタビュー形式で進んでいく、ホラー系の小説。

もう、これが面白い!
本当に形式が、インタビューを書き起こしたように、一章につき、二人(しかも、インタビュアーはほとんどしゃべらない)しか出てこず、事件についても電文でしか分からないのだが、その分、恐ろしい。

事件の内容についても、なにかパニックが起こったということしか分からず、証言者もなにが起こっていたのかを正確に把握している人がいないので、色々な説が出てくる物の、本当のことはぼかされている。
だが、それが変にリアリティがあって、なんかジワジワと怖くなってくる。

しかも、証言者も最初のウチは普通の人達なのだが、途中からどんどん壊れた人になっていく。これが、怖い。
いままで、普通の生活をしていたのに、この事件をきっかけに、人生や自分の精神などが壊れていった人達が、淡々と事件やその後について語っていく様は、自分にも降りかかりそうで、嫌な気分になる。

個人的にはちょっとネタバレになるが、家族を失う心配のあまりに、家族を殺してしまった人が、凄く嫌だった。それなのに、自分の生活は淡々といつも通りに進めていくところが…

文章なども、ドキュメンタリーのようで小説なので、読みやすく、続きが気になることもあり、一気に読んでしまった。

恩田陸初心者にもお勧めの一冊、嫌な気分になるホラーとしては、上位に入りますぞ!