撲殺天使ドクロちゃん 1・監督■水島 努◇ジェネオン エンタテインメント

電撃HP連載のハイテンションギャグ小説のアニメ化。

文庫の1巻が出たときは「マジか!」と思ったが、いつの間にかに5巻(しかも以下続巻!)まで出ている、おばか小説。
しかし、ただのバカ小説ではなく、文章のドライブ感はもの凄く、一気に読み終わる。
あえて例えるなら、「もの凄く頭の悪い火浦功(ほめ言葉)」だろうか。文章のドライブ感、ギャグ物の時の不条理感などは通じる物があるだろう。
こんなんばかりだと困りものだけど、頭を空っぽにして読むならいい小説かも?

そんな原作を、「クレヨンしんちゃん」や「ジャングルはいつもハレのちグゥ」などの水島監督がアニメ化している。
これが、また、原作をパワーアップさせたドライブ感と頭の悪さでうまいこと映像化されている。
随所にちりばめられた小ネタはかなりブラックになり、ドクロちゃんサバトちゃんはこれでいいのか?というほど顔を変形させられる。
副音声のオーディオコメンタリーで原作者がずっと「これはひどい!」と言い続けるほど、そりゃひどい(笑)
ここら辺は劇しんなどで監督がよく使ってた手法だが、いわゆる美少女系の絵柄でもやるとは思わなかったので、かなり笑ってしまった。
ただ、容赦のなさが監督の持ち味なので、続巻でももっと悪ノリして欲しいところだ。

そして、一部話題になった主題歌も必聴!作詞も、監督が担当しており、本編同様のいい意味での適当さが効いている。劇しんの「メイドイン埼玉」などでミュージカル(「わたしのささやかなよろこび」は必見!)などを手がけていた監督の本領発揮だろうか。 そんなもの凄く頭の悪い歌詞を、ドクロちゃんこと千葉紗子が、今までのキャリアを投げ捨てたかのようにヤケクソに熱唱している。

DVDも、コメンタリーや「灼眼のシャナ」の作者、高橋弥七郎氏の書き下ろしドクロちゃん小説や、劇中にも出てくるもの凄く理不尽なルールのゲーム「ごせろ」などもついてきて、かなり盛りだくさん。
個人的には原作者にどっきりを仕掛けた映像(15分くらいある(笑))がお勧め。というか、遊びすぎな気もする(笑)

いままでの、水島作品が好きな(特にOVAハレグゥ)人には、文句なくお勧めのギャグアニメ。疲れたときみると、より一層疲れるくらい詰まった作品だ(笑)。

しかし、夏公開の劇場アニメ「XXXHOLiC夏ノ夜ノ夢」は本気で水島監督なのか? もの凄い作品になってたらどうしよう…


で、もの凄いドラマのあるミュージカル(笑)「わたしのささやかなよろこび」が聞けるのは、これ。他の曲もいい曲ばかりですよ〜

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!サウンドトラック大全集

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!サウンドトラック大全集