ヴィレッジ・監督■M・ナイト・シャマラン◇ポニーキャニオン
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2005/04/22
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シャマラン監督のハッタリ映画シリーズの最新作。
監督お得意とはいえ、今回はどっちかというと、予告などで散々言っていた秘密は中盤でばらされてしまう。ミスリードみたいな物かも。途中で観てる方も、大体分かるようになっているし。その代わり、もひとつのサプライズを準備してある。
今回は、今までのようにオチのためのストーリーという感じではなく、云いたいテーマを結構直接的にぶつけてきた感じ。前作の「サイン」からその傾向は出ていたんだけど、今回は一気に出してきたような感じだ。
画面自体も、のどかながらも閉鎖された村という、美しいんだけどどこか悲しさと閉塞感がある感じがフィルムからにじみ出てきている。この感じは、日本で云うと市川崑の過去作品に近いかもしれない。
演出も、秘密が分かるまでの前半は、驚かせ要素がある物の、いつものようなショッキング演出ではなく、音楽を含めて淡々と演出している。ただ、この村の生活などが分かり良かったのだが、もう少し村の禁忌を全面に出した方が良かったような気がする。特に、アイヴィーの能力とノアがなぜああいう状態なのかを詳しく描写してあれば、後半部がもっと盛り上がっただろうに残念。
後半部、アイヴィーが森の中へと入っていくシーンは、少し長い気はしたものの、寂しさや孤独感などが感じられ、画面に引き込まれた。
といいつつ、冒頭からある仕掛けに見事に騙されてしまったので(エンディング近く、ある物が出てきたときには「ええっ」と声を上げてしまった)、なんか悔しくなってしまった。
今回のテーマは、多分「人間、厭なことから逃げていても逃げ切れるモンじゃない、だから前を向いて生きていった方がいいんじゃないの?」だと思う。テーマや演出なども劇しんの「モーレツ!オトナ帝国」と微妙にダブる所があり、世界を問わず考えることは一緒だなぁとも思ったり…
と、かなり楽しめた映画なのだが、シャマラン監督にはこういうサプライズ以外で勝負した映画をそろそろ撮って欲しいのだけど。