仮面幻影殺人事件・ニンテンドーDS◇元気

探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件

探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件

DS初の殺人事件物のアドベンチャーゲーム

主人公に届けられたミステリー型ネットゲームのベータ版を探偵事務所の助手、伊綱とともに始めたところ、ネットゲームと同じ状況の落下事件が起こる。その事件を調べていくと、3年前に起こった事件との関連性が浮かび上がってくるのだが…

システム的には、いわゆるコマンド選択式の変形版。大体の場面では、コマンド総当たりで進んでいくのだが、所々、ちゃんと分かっていないと進めなくなるような選択肢などが発生する。あと、章ごとに事件を整理する質問があるのだが、間違っていても修正される。だが、最終的な評価につながっているので、よく考えて選択した方がいい。

基本的には画面内をタッチして調べていく感じなので、あまりDSとしての恩恵を感じなかったのだが、画面が2つあることを活かして、入手した捜査メモを常時上画面に表示できるというのは、うれしかった。下画面で選択肢が発生している状態でも上画面で資料がみれるので、推理するときにかなり役に立った。

また、ゲーム中にネットゲームをすることになるのだが、上画面がネット画面、下画面が現実に分かれるので、実際に二人でネットゲームをしている雰囲気がでて、面白かった。

内容的には、可愛い感じのキャラデザインやちょっととぼけた設定とは裏腹に、かなりヘビーな物語が展開していく。根底に少年犯罪問題などがあり、事件が解決した後も考えさせられてしまった。それを利用したミスリードなどもあり、簡単に自分も引っかかってしまった。後味も、一見さわやかそうに見えて、かなりいやな感じになっている。

ストーリーも一本道なのだが、途中第二の殺人を止めることが出来る選択があるのだが、これがちゃんと犯人が分かっていないと、分からないようになっていて、良くできている。(SFCのかまいたちの夜もそうだったなあ…)

主人公がゲームデザイナーで、探偵の助手の助手(笑)をつとめるという設定も、記述者がワトスン役になるというミステリ物のオマージュになっていて、制作者がミステリー好きなのだなと思わされる。

このゲーム、元々は携帯電話の人気コンテンツの長編版(シナリオは完全新作)という扱いらしく、前の事件で出会った人物などが出てくるのだが、細かい話は分からないので、かなり気になる。

自分は、京ぽんしか持っていないので、面白そうではあるもののプレイすることは出来ない。なので、一段落ついたところで、DSなどに移植してもらえるとありがたいのだけど。特に、変な館ばかり作っている建築家の館の話(笑)やりたーい!

しかし、DS初の殺人事件物でここまで重い物語だと、次作を作るところは大変なのではないだろうか、と心配してしまう(そっか、逆転裁判か!かなり期待してます)。個人的には、御神楽少女探偵団などはDSに向いてるんじゃないかなと、思っているんだけど…

このゲームは、捜査の快適さを含め、かなり面白い物なのでミステリ好きにはかなりお勧め作品ですよ。