ガンプラファクトリー・EMOTION+◇バンダイビジュアル

ガンプラファクトリー [DVD]

ガンプラファクトリー [DVD]

バンビジが展開している、DVD+書籍のムックシリーズのガンプラ版。

DVDの方には、ガンプラヒストリーという誕生から現在までを時系列でまとめたドキュメントや、バンダイ静岡工場を行程順に紹介した物、書籍の方にも掲載されているあのストリームベースの3人の座談会、そして模型展などの店頭のみで流していた「プラモーション」が4編収録されている。

書籍の方は、ホビージャパンに掲載されたジオラマ、プラモーションをはじめとした販売促進用の映像の紹介、ガンプラの作製手順、企画のみだった商品や試作木型などの画像、年代別にまとめたガンプラの歴史、メカデザイナー、開発スタッフのインタビュー、ストリームベースの座談会、模型情報氏やB−CLUB、そして圧巻の全ガンプラリスト(テキストデータのみ)が収録されている。

ガンプラヒストリーの中には、初期に放映されていたガンプラのCM映像(監督は川北紘一!)なども収録されていてもう涙もの!作品内の台詞と思われがちな「ジオン軍、驚異のメカニズム(ケロロ軍曹でおなじみ!)」のナレーションなど久々に聞いて、当時を思い出してしまったり… 
おまけに、このガンプラヒストリーは、ガンプラの商品展開を当時の風俗や事件などもあわせて紹介されており、ガンダムの直撃世代にはくる物があるのではないだろうか(自分は掠ってるのでかなり来たりして)。まさかあの当時は、オトナになってもガンダムの新作が放映されたり、自分が作ってたりするなんて、考えてもいなかったモンなぁ…
しかも、うれしいことにこの中で紹介されているガンプラは、全て素組のママ(そのまま組み上げた状態、色などは塗っていない!)なので、当時から現在までのガンプラの進化具合がよく分かるようになっている。昔のキットは、可動はするもののすぐにへたったり、プロポーションとかはあまり良くなかったよなぁ、等感傷に浸ったり出来る。

そして、あいだに大河原氏や明貴氏、出渕氏、阿久津氏などのインタビューが収録されている。こちらは書籍の方にテキストとしても載っているのだが、本人達のニュアンスが伝わるので、映像の方が面白かったり(最近では映像で観ることも少ないし)。ただ、今のガンプラでは外せない一人であろうカトキ氏(うじではない)が、再録のために映像がないのが残念だ。
この中で、ガンダムSEEDのデザインは勇者系をフィードバックしているという大河原氏のコメントはホホウと思わされたし、6体合体のガンダムを作りたいという明貴氏のコメントはいつか実現してもらいたいし(笑)、かなり面白かった。

バンダイ静岡工場の映像は、CADをいじったり(つーか、室内ガンプラだらけ)、最終工程の金型調整(職人さんがミリ単位で微調整してる!)など、あまり見られない映像が目白押しで(企画以外の工場職員のインタビューなどこれ以外では殆どないので、かなり貴重)、社会見学でもしてるようで、かなり楽しめる。

自分的な目玉だったストリームベースの座談会は、みんななんか優しい目で模型界を見ていて、みんな年を取ったのだなあと感慨にふけったり…
その中で、実は女性の方がガンプラに向いているという意見は面白かった。

書籍の方の目玉はやはり、カラーでかなりの量が紹介されている模型情報(後にMJ)ではないだろうか。これをよく模型やさんで買った物だった(余談だが、バンダイの「ふしぎの海のナディア」版ノーチラス号のワイヤーを再現するには、髪の毛を使うといいという作例が載っており、当時自分はあまり伸ばしていなかったため、母親の毛を使おうとして怒られたことがある…)昔はなぜあのサイズか疑問だったのだが(縦に細長い)、封筒で送れるサイズだというのが分かり、かなりすっとした。

あとは、存在を忘れていたMS−Xのモビルスーツの画稿(ガッシャ!)やB−CLUBでしか展開していなかったZ−MSV等の画稿も載っており、資料としても読み応えがある。

ただ、SDブームなどについては語られているのだが、リストなどでも全くフォローされていないので、そこら辺も入っているともっと良かったのだけど…

それと、ストリームベースの座談会の映像版は、せっかく資料などを持ってきてあったのだから、その話題の時に資料をインサートしたりテロップを入れたりしても良かったのではないだろうか? テキスト版で、多少フォローはしてあるのだが、映像にしかない話題などもあるので、そこが少し残念だった。

あと、せっかくの映像なのでガンプラを組む過程などがあるともっと良かったと思う。CSの「プラモつくろう」やホビージャパンの付録で付いたりしていたが、以外と紙面だけでは分からないテクニックなどもあるので…

さすが、本家が出しただけあって、資料としては十分な出来で、お腹いっぱいになる1冊(枚か?)。これと、洋泉社から出ているガンダムエイジ(こちらは森永のおまけのガンプラも語られている!)をあわせると、ガンプラの歴史はほぼ網羅できるのではないだろうか。

初期からつき合ってる人も、SEEDから入った人も是非、一度観てみては(ちと高いけどね)。

ガンダム・エイジ―ガンプラ世代のためのガンダム読本 (映画秘宝コレクション)

ガンダム・エイジ―ガンプラ世代のためのガンダム読本 (映画秘宝コレクション)

ストリームベース(HOW TO BUILD GUNDAM)については、こっちが詳しかったり。