つくば科学万博クロニクル◇洋泉社

つくば科学万博クロニクル (洋泉社MOOK)

つくば科学万博クロニクル (洋泉社MOOK)

1985年に茨城県で開催された万国博覧会をまとめたムック本。

オビにも書いてあるが20年経った現代(おまけに愛知博開催年!)につくば博の意義などを振り返る内容となっている。
内容は、各パビリオン紹介、グッズ紹介などをカラーページで、当時を回想した各ライター諸氏のコラム、パビリオンなどに関わった人達にインタビューしたものをモノクロページで紹介している。

近年、大阪万博などは結構クローズアップされたりしていたが(映画クレしんモーレツオトナ帝国の逆襲は白眉!)科学万博はあまり紹介される機会がなかったためにうれしい一冊だ。

特に、HSSTやジャンボトロンの開発者インタビューに混じって、テーマ曲「HOSHIMARUアッ!」の安西氏のインタビューなど濃い物も混じっていたり、コスモ星丸のグッズ、スタンプなどがかなり網羅されていたりと、いい意味で洋泉社のテイストが出ていて心地よい。

自分は茨城の片隅で育ったために、科学万博には10数回いき、大方のパビリオンは回ったので、写真を眺めるだけで懐かしい気持ちになってくる。結構年のいっていた父親でさえも、車の中に似ていないコスモ星丸のマスコット(オフィシャルの物だった(笑))をぶら下げていたり、おじいさんがつくば博のマーク入り帽子を開催前から被っていたりと、茨城自体も変な熱気に浮かれていた気がする。そういえば、小学校で科学万博音頭(五木ひろし)を練習させられたりもしたっけ…

ほとんどのパビリオンが映像を鑑賞する物だったのだが、それだけでもテクノロジーへの憧れで胸がいっぱいになった物だ。ロボットなども、現在のASIMOなどに比べると愛嬌のないデザインの物が多かったが(と、言うより工業ロボットが主体だった)、独楽回しや似顔絵描きなど、無骨ながら人間との共存を主体に考えられた物だった思い出がある。

そんなことを考えてしまう、郷愁を感じさせる一冊だ。